サチ子さんと庭先料理人の終わらない夜

サチ子さんと子供達に「おいしい!」を言わせるため、庭先料理人ぢゃづの右手と財布が今日も火を噴くのだった。

Silent Smoker

先日たまたま私とサチ子さんの休日が重なったことがありました。

「え、アナタお休みなの?二人でどこか行く?!」

 

サチ子さんがデレたのは一年振りぐらいじゃないでしょうか。

 

そんな訳で食器と調理器具の町、合羽橋に行ってきましたというお話。

 

どちらかというと業務用、プロ向けのお店と、海外からのお客さんがお土産を買うためのお店が多い合羽橋

しかしアウトドア料理とかBBQを楽しむならここは外せないな、と実際に訪れて感じたお店が2軒ありました。

 

1件目は「釜浅商店」さん。

(写真は無いので心の目で楽しむか検索して下さい)

何というか「無骨だけど温かみのあるお洒落なお店」でした。

でも何より嬉しかったのは、店先に大型のスモーカーが2台展示されており、実際に触ることが出来たこと。他では余り見たことが無いんですよね。

触ってきたのは進誠産業さんの「ビーバー」と「ロビン」。特にビーバーはウチにあるユニフレームのFS-600よりも大きいので(値段も倍以上しますが)気になっていたのです。

 

触ってみたところ、確かに大きさや内部へのアクセスのしやすさは魅力ですけれど、本体の素材感というか・・・見たり所有しているだけで嬉しい、という感じではないなと思いました。勿論私個人の感想ですけれど。

チップやウッドも扱っていらっしゃる「燻製のプロ」というべき会社の製品なので、私のようなシロウトには使いこなせない物なのかも知れません。

 

2軒目は有名な「飯田屋」さん。

この時点でのべ数km歩いてフラフラになっていた私達。ただ店長さんを何度かテレビで見掛けたことがあるので、実物を見たサチ子さんが指差して何か言いかけるのを止めるのに苦労しました。サチ子さんの指を握ったのなんていつ以来だろう?

 

さてこちらの店頭も凄かった。

・APELUCAのTABLETOP SMOKER

ベルモント 鉄製燻製鍋

他にも沢山ありましたが、これらが展示されていて実際に触れます。しかも全て明らかに一度は使われていて(使用レポートなどを書かれたのでしょう)、私が一番気にしている「汚れ方」「洗い易さ」などを実際に見て感じることが出来たのでした。

 

上述の2つのスモーカーは有名な「燻製道士」さんがお使いになっているぐらいなので質の高さは言うまでもありません。特にAPELUCAは定年退職したら欲しい、と思ってしまうぐらいの作りの良さ、美しさでした。イヤ5人家族にはちょっと小さすぎるので。

 

で、そこで出会ってしまったのです。

これまで見た中で最高のスモーカーに。

 

そこで財布を取り出そうとする私に対し、冷静にネット検索してア○ゾンのページを私に見せるサチ子さん。

まぁ確かにポイントも使えるしネットの方が安いよね。

持って帰るのも大変だし、今ここでパッと「コレ良い!欲しい!」なんて飛びつくと良いこと無いよね。

 

自分に言い聞かせながらお店を後にした私。

でも帰りの電車の中でも考えるのはあのスモーカーのことばかり。

イヤ実は今日初めて考えたわけではなく、以前から「良さそうだな、でも高いからイメージと違ったらイヤだな」と思っていた相手だったのです。それが予想を超えるレベルだったんだから仕方が無い。

 

ちなみにこの日、二人が合羽橋で買ったのは300円の「アイスクリームディッシャー」ただ一つだったのでした。

 

そして翌朝。

筋肉痛と二日酔いでふらふらしながら起き出し、ふと携帯を覗くと、

「発送しました」

うわ昨夜呑んで勢いでネット購入してるよこのオヤジは!

 

そんな訳で届いたのがこちら。

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・Zwilling J.A. Henckels ツインスペシャルズ スモーカーセット

・遠藤商事 丸盆 10インチ EML03010

 

呑んでいてもちゃんとポイントを使って購入している辺りは我ながら流石です。お陰で定価の約半額で入手出来ました。

ヘンケルスというブランドは良くアウトレットモールに入っています。ポイントを使うとかいう事でなければネットで買うより少し安いのでお勧め(事前リサーチ済)。

 

では中を見ていきます。

 

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こちらが内容一式。非常に洗い易いのと、分厚いステンレスの重厚な素材感が素晴らしい。

 

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本体の底にチップ皿を置いたところです。このスモーカーの最大の特徴がこの部分。

皿の中にチップが閉じ込められていて、側面の穴から煙だけが出てくるんです。食材から垂れた脂の受け皿も兼ねているという良く考えられた設計。仮に皿の横に油が垂れてもチップには届きません。

 

が、ここできちんと下調べをしている私は、500円という追加投資で更なる安心を手に入れたのでした。やるじゃないかこの酔っ払い!

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ハイこれ。1枚目の画像で箱と一緒に写っていた10インチのステンレストレイ、まぁ普通の丸盆です。この上に網を置くんですが、上の画像と比べ、明らかに脂を受け止める面積が拡大されたのがお分かりでしょうか?

※実際、多分これと同じものをセット販売しているお店もあります。別々に買った方が安いので私はア○ゾンでしたけれど。

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網を載せます。網の形状的に、中のものが転がりにくいのが良いですね。端も立っているので食材が落ちる心配もありません。

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最後にこの背の高い蓋を被せて終了です。

網は1枚のみですが、面積的にはウチにあるキャメロンズと同等かそれ以上と十分すぎるくらい。しかも蓋の背が高いので何でも入ります。

 

そんな訳で次の休日。

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豚バラのブロック(500g×2本)に塩と黒コショウを多めにもみ込んで、ビニール袋に入れます。そこへ刻んだニンニク2かけと料理酒をひたひたになるまで投入。

冷蔵庫で3時間放置した後、画像のように1時間ぐらい風乾します。

 

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そして勿論燻製。

私あまりサクラのチップは好きじゃないんですが(ちょっと癖が強いと思います)、豚肉には確かに一番合うので久しぶりに使用。

途中で一度肉の上下をひっくり返し(そのタイミングでチップも交換)、計1時間ほどの燻製。今回結構時間が掛かっていますが、実際に仕事をしているのは冷蔵庫と風とIHコンロなので、私はゴロゴロ転がってTV見たり、帰ってきた子供と遊んだりしているだけなのでした。

 

ここで感心したのが「全く煙が出ない」こと。今までのキャメロンズなども換気扇を回していればそれほど気にならないレベルでしたが、蓋の形状からなのか重さからなのか、とにかく全く煙が見えない。他の部屋から入ってきても燻製しているのが分からないぐらい匂いもしません。途中で不安になって蓋を開けるとしっかり煙が出ていてまた驚く、という繰り返し。

 

さらにもう一点、火加減のこともあります。

ウチのIHコンロは画像のように8段階で、今までの燻製器だと、

①6にしてチップから煙を出す

②煙が安定してきたら4まで下げて燻製する

・・・とやっていました。色々試したんですが3まで下げるとチップが燃えないんですね。

ところがコイツは2まで下げても平気です。肉に全然火が通らないのも困るので最後は4まで上げましたが、その前に2でもずっと煙を出し続けているのを確認しました。これは鍋の底が3層構造になっていて、蓄熱力が強いということに起因するようです。1でもいけるかもしれませんがそういえば試してないや。

 

で、燻製後の鍋。

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思った以上に汚れません。そしてチップもサラサラ。

ここで下手にチップの下にアルミホイルなんか敷いてはいけないのが分かります。間違いなく鍋底がタールでベタベタになりますので。

 

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そしてチップの蓋の裏側。思った通りジェームズ・ブラウン色ですが、不思議だったのはこの状態で触っても非常にサラサラしていたということ。指で触れてもキッチンペーパーで拭いても汚れがついてきません。ちょっと覚悟していたので嬉しい誤算でした。

 

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たわしと水だけで洗ったところ。汚れは簡単に落ちます(かなり汚れて見えますが光線の具合で、実際はうっすらと金色が見える程度です)。

今度ちゃんと洗剤も使おう。

 

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その後別の鍋で1時間ほどチャーシューを煮込みました。煮汁は酒・醤油・みりんが1:1:1になるように作ります。蓋をするし途中でひっくり返せば良いので、浸るほどの量じゃなくても大丈夫。

出来ればその後冷まし、煮汁の中で固まった脂を取り除いてから温め直す方がヘルシーですが、今回掛かった時間からしてそんなことをしている余裕は無かったのでした。

 

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これで500g分。勿論育ち盛りの男の子3人に掛かれば秒殺でした。

この日学校の集まりで飲み会に行っていたサチ子さん(彼女は一滴も飲めません)は翌朝、煮汁の脂を取り除いて美味しく戴いたそうです。

 

何だか負けた気がするのは私だけだろうか?

そんなことを考えつつ、でもスモーカーを見るたび笑顔になってしまう私なのでした。