幼い頃、父親がマッチ一本で火起こしをする姿を見て「オレもこんな大人になりたい!」とか思ったはずなのに、何故最近の私は平気で着火剤とか買っているんでしょう?
火を起こすぐらいのことに毎回コストが掛かるというのは、まぁ非常に安価であるとはいえ後ろめたいものがあるのです。
ネットやTVで良く紹介されるのは新聞紙や牛乳パックを使う方法ですが、まず新聞紙は結構な煙が出るんですよね。庭が隣家と地続きになっている我が家でそんなことをした日には、サチ子さんと隣家のマダムから有難いお説教を頂戴することは必至。牛乳パックは試した事がありませんが、いつもハサミで開いて肉を切る時のまな板代わりにしているため、使ったらすぐ処分しないと何となく気分が悪い。
そんな訳でチャコールスターターと着火剤、という文明の利器に頼りきったひ弱な現代人の私の目に、ある日ひとつの動画が飛び込んできたのでした。
許可を頂いていないのでリンクが貼れないのですが、「100均 ウッドストーブ」などで調べると色々出てきます。
その中でも「缶切り以外の工具不要」というコイツを見たその1時間後には、私は三男坊と一緒にダ○ソーの中に立っている自分に気付いたのでした。
で、購入したのがこちら。
左上から時計回りに、
・バケツ2個(園芸コーナーで購入、「ブリキのバケツ 取っ手なし小」)
・目玉クリップ(30mm)※使うのは4つのみ
・ダブルクリップ(41mm)※使うのは4つのみ
・土ふるい(園芸コーナーで購入、18cm粗目)※必ず粗目を選ぶ
・ステンレスパッド(キッチンコーナーにある1辺が20cm以上のものなら可
・金やすり
これで800円+税ですが、最後の2つは無くても支障がないですし、家にクリップが余っていれば流用しても構いません。お安く楽しめるストーブ作りを三男坊と楽しむぞ!
・・・と振り返ったら疲れ果てた小学生はお昼寝の真っ最中でした。仕方なく中年オヤジ一人での工作開始です。
といっても難しいことは何もありません。
画像のように、
①バケツ2個の底を缶切りで開ける(出来れば仕上げにやすりを掛けた方が安全)。
②バケツ一つにダブルクリップ、土ふるいに目玉クリップを4つずつ付ける。
※バケツの方は重ねた時に空気や燃焼ガスの通り道を確保する意味合い。土ふるいの方は吸気口を作るための脚としてクリップを利用しています。
③前の記事で「ミックスナッツは買わない」とか言ってたくせに空き缶が写り込んでいる自分を心から恥じます。イヤ仕方ないでしょ貰ったものは食べないと!
後は重ね合わせるとトップ画像の状態になるわけです。
普通は中央の空洞部に拾ってきた小枝などを入れていくのですが、丁度この燃焼試験の日は雨上がりで収穫には期待が持てません。こういう時は「段ボールをちぎって入れる」と新聞よりも煤が上がらず良い感じに燃えてくれます。
で、点火1分後。
ただの段ボールがえらい勢いで燃えております。
2次燃焼(書いている私も良く分かっていませんが)までしているため、火も大きいですし煙も全く出ません。後で見たら中の段ボールはきれいに灰になっていましたので、文字通り完全燃焼なんですね。
じゃあ今回の役回りとして炭に点火してもらいましょう。
チャコールスターターを被せたところですが、今見るとなかなかシュールな絵面ですね。これ実際に火が点いたままの状態です。全く煙が出ないので分かりにくいんですが、下のステンレストレーを良く見ると火が写り込んでいるので状況が確認しやすいです。
炭がパチパチ言い始め、ストーブの火が小さくなったらチャコールスターターを外します。
分かりにくいですが下の方は真っ赤に炭が燃えている最中です。この10分後には上まできちんと火が点きました。
ところで私、最近では調理器具は可能な限り鉄製を避け、ステンレスのものを選ぶようにしています。錆に強くお手入れしやすいなど利点が多いからですが、BBQを始めた頃はその価格から鉄製のものを購入している事が多かったんですね。
ご覧の通り、約9年前に購入し庭に放置されているチャコールスターターは見事な錆具合。壊れたらステンレスのものに買い換えてもサチ子さんに叱られないだろう、と思いつつ観察しているのですが、何故か一向に壊れる気配がありません。
更にその下の単なる火起こし台と成り果てたコールマンのBBQグリル。良く見ると底が一部抜けており(網の上にあるのがその残骸です)、空気が流入して火起こしに最適というメーカーも想定外であろう活躍の仕方というか第二の人生を送っていらっしゃるのでした。
それは兎も角、無事に一円も掛けず火起こしを終え、ぢゃづ家の人々は休日のBBQを楽しんだわけですがまたも写真を撮り忘れた私。
ブログのことを知られずにサチ子さんに写真担当をしてもらうにはどうしたら、と物想いに耽る秋の午後なのでした。